人はなぜ腰痛になるのか

腰痛は国民的症状

腰痛は私たちを悩ませる不快な症状の代表です。

平成22年度の厚生労働省の調査によると、病気やけがで自覚症状を訴える人の中で、最も多い症状が男性では「腰痛」、女性では「肩こり」に次いで「腰痛」でした。

また、日本国内の人口の約80%の人が、これまで一度は腰痛になったことがあると回答しています。

特に成人を迎えた20-30歳代以上に腰痛の症状を訴える人が多く、30-40歳代ではさらに増加していく傾向です。

ですから、腰痛は私たちの生活につきものの、しかも働き盛りの人たちを襲う、国民的症状です。

このように、腰痛は多くの人が経験するものですが、自分が特別でないと知ると、つい軽く考えてしまいがちです。

それで、症状が出たにもかかわらず、放置してしまい、水面下でさらに悪化させて、後々さらにひどい目にあうということは少なくありません。

それで、腰痛の症状を感じたら適切な処置を講じることは重要です。

どうして人は腰痛になるの?

どうして人は腰痛になるのでしょうか?

人の骨格を「縦に積み上げた積木」と考えてみてください。
積木一つ一つが重なり合う面がずれていなければ、かなり高く積み上げることができます。

ところが、一か所でも、そして僅かでもずれていれば、バランスを崩して倒れてしまいます。

人間の骨格、特に脊柱も20個余りの骨が積木のように縦に積み重なっています。

その骨と骨の重なり具合にずれ(=ゆがみ)が生じると、バランスを失ってしまいます。

ただ、積木のようにただ積み上げられているだけではなくその周囲を筋肉で支えられていますから、あっという間に崩れてしまうということはありません。

しかし、バランスを崩した部分は常にストレスがかかった状態に置かれます。

または、そこにストレスをかけないように、別のところにストレスがかかることも少なくありません。

その結果、その周囲の筋肉や神経にも緊張が生じ、腰痛となって日常生活を損なってしまうのです。

ですから、腰痛をただの疲れ、使い痛み、歳のせいと軽く考えるのは危険です。

あまり心配しなくてよい腰痛

腰痛になったとしても、数日間安静にしていれば快復することがあります。

このように、数日の安静で痛みがなくなるのであれば、軽度の腰痛と考えて、あまり心配しなくてもよいかもしれません。

しかし、それがほかの疾病の何かのサインであることもあるので、念のため整形外科を受診するのは良いことです。

それは、自分の体を知ることにもなり、再発防止の助けになります。

心配な腰痛

安静にしていても、いっこうに回復の兆しが見えない場合は要注意です。

治療が必要だと観念して整形外科にかかりましょう。

また、腰痛の原因は整形外科的な、骨や筋肉の異常に起因するものとは限りません。

腎う炎や尿路結石などの泌尿器系の病気や、胆のうなどの胆管、胆のうの病気、女性であれば子宮筋腫などの婦人科系の病気も腰痛の原因になります。

さらに、骨盤内に位置する臓器の悪性腫瘍も腰痛を引き起こします。

腰痛以外に、おう吐、発熱、血尿などの症状があるときは危険信号です。

整形外科に加えて内科でも診察を受け、他の病気の可能性がないか確認しましょう。

腰痛になったら

突然腰痛になったら、パニックになってしまう方は少なくありません。
しかし、落ち着いて対処すれば心配ありません。
では、どうすればよいでしょうか。

腰痛発症直後

無理をしないで、「安静」が重要です。
その際、なるべく痛みが出ない、楽な姿勢でいることが必要です。
発症直後の痛みは激痛ですが、安静にしていると、2-3日で痛みは一気に引いていきます。
「このまま動けなくなったらどうしよう」などと余計なことを考えて無理して動くよりも、安静にしているなら、筋肉の緊張をほぐし炎症を抑えることができます。

●楽な姿勢

・横向きに寝て、背中を丸め、足を「くの字」に曲げる(いわゆる、エビのような形)。足の間に座布団を二つ折りにしたものを挟んだ方が楽という人もいます。

・仰向けに寝るときは、膝の下に枕や座布団を入れて、なるべく腰が伸び切ってしまわないようにする。腰が伸びると、背骨は通常より反り返った状態になるので、痛みが増します。

一般的にはこのような姿勢が楽だといわれていますが、人それぞれ異なるので、いろいろ試してともかくなるべく痛まない姿勢をとるようにしましょう。

●温湿布?それとも冷湿布?

患部を温めた方が良いか、冷やした方が良いか、迷うことがよくあります。

それは腰痛の症状や種類によります。

一般的には、急性の腰痛の場合や炎症がある場合は、主に冷やす方法がとられます。

一方、慢性の腰痛の場合は、血流も滞っていると思いますので、温める方法がとられます。
しかし、温めて痛みが増す、症状が悪化するような場合は、すぐに中止し、医師の判断を求めるようにしましょう。

痛みがある程度治まったら

筋肉の炎症が治まれば、いくらか動けるようになるでしょう。
でも、ここで油断して、「治った」と考えるのは禁物です。

炎症が治まると筋肉がある程度は動くようになるので、動作は楽になりますが、元に戻っているわけではありません。

コリや骨のずれが残っている場合も多いですし、以前からのゆがみが原因である場合は必ずと言っていいほど再発します。

そこで、自分の腰痛の原因が何だったのか、専門家の診察を受けるようにしましょう。

慢性的なゆがみが原因なら、このたびの痛みは、「からだからのSOS]と受け止めて、しっかり調整したいものです。

ある期間、筋肉や骨のゆがみを取り除く施術を受けたり、普段の生活で気をつけるべきことを学んだり、リハビリに取り組んだりと、からだのメンテナンスに注意を向けましょう。

痛み止めで抑えられた痛みは、必ず再び現れます。
そうならないためにも自己治癒力を高める取り組みをお勧めします。

日頃の腰への負担をチェック!

腰痛につながる腰への負担は、普段の生活の中に隠れています。

以下の質問に答えて、日頃の腰への負担度をチェックしてみましょう。

□ 長時間、同じ姿勢で過ごすことが多い
□ あぐら・横座りで座る、椅子に座るときはたいてい足を組む
□ 猫背、または腰が反っている
□ 神経質な性格で、小さなことでくよくよすることが多い
□ 日頃から歩くことが少ない
□ 最近、太り気味だ。または太っている
□ 荷物を持つ時、同じほうの手ばかりで持つ
□ 食事は肉料理が中心で、食生活は偏っていると思う
□ 腰をひねる動作や重いものを持つことが多い
□ 体が沈みこむベッドやソファーで寝ている

さあ、いかがでしたか?
では、負担度を判定してみましょう。

Yesの項目が

0-3個→負担度レベル1:腰への負担はそれほど大きくありません

4-8個→負担度レベル2:腰への負担が大きくなっています。要注意です。常日頃から軽い運動をして腰回りの筋肉を強化しましょう。

9-10個→負担度レベル3:腰にかなりの負担がかかっています。いつ腰痛が出てもおかしくない危険な生活です。まず姿勢から改め、日常生活を見直しましょう。

体のかなめともいえる腰への負担を少しでも減らすようにしましょう。
上の質問の逆を意識すれば改善できます。

□ 長時間同じ姿勢を取らない。軽い運動やストレッチを入れる
□ あぐら、足組み、横座りをしない
□ 猫背または腰が反らない姿勢を意識する
□ おおらかに考えるようにしてストレスをためない
□ 歩く習慣をつける
□ 体重を適正に保つ
□ 荷物を持つ手を時々変えるようにする
□ 野菜や魚も食べる。バランスのとれた食事をとるようにする
□ 腰をひねる動作や重いものを持つ時は、慎重にする。
□ 柔らかすぎる寝具は避け、背骨の自然なカーブが保たれるよ
  うな固さにする

ちょっとした意識で痛みの原因を取り除くことができます。

気温や湿度の変化が大きい季節の変わり目は特に注意しましょう。

姿勢を意識して腰痛対策

日常生活の中で腰痛を予防するために大切なことの一つが

姿勢を意識することです。

いくつかのチェックポイントを挙げてみましょう。

姿勢をチェックしましょう

1)立ち姿勢のチェックポイント
①体や胸を反りすぎていないか
②猫背、がに股になっていないか
③あごを引きすぎていないか
④片方の足に重心がかかっていないか

2)座った時の姿勢のチェックポイント
①いつも椅子の前の方に腰かけていないか(浅く座る習慣)
②足を前に投げ出す癖がないか
③体に合わない椅子を使っていないか
④柔らかいソファーにいつも座っていないか
⑤あぐらを組んで座っていないか

3)歩き方のチェックポイント
①体を斜めにして歩いていないか
②背中を丸めて歩いていないか
③体が反りすぎていないか
④ずるずると靴を引きずるような歩き方になってないか
⑤内股、がに股で歩いていないか

できるだけ良い姿勢を意識することで、腰痛になりにくい生活習慣を保ちましょう。

寝ている時に辛くなる腰痛が改善されました(30代男性)

以前に来られた30代半ばの働き盛りの男性のお客さんの例です。回復の経過をお知らせします。

夜、就寝時に感じる腰痛

2か月前から早朝4時頃、腰の痛みで目が覚めるようになりました。 それからは痛みで眠れません。

それが毎日です。 お仕事にも支障をきたすようになり、整形外科を受診されました。
X線検査では骨に異常はないとの診断で、痛み止めを処方され、寝る姿勢を工夫するようにとの指導を受けました。

整体を繰り返した時の経過

改善が見られないので、当店に来店され、5回の施術が終わりました。
痛みが出始めるとどんな姿勢をしてもおさまらない、昼間は睡眠不足で仕事に集中できないなど、生活の質に影響が強く出ていて、辛いご様子でした。
仰向けで横になってもらうと、その姿勢で腰に違和感、軽い痛みがありました。
膝を立てると楽になります。

お腹はとても固いです。お腹が引っ張っているようです。

1回目:施術終了後、腰には軽さがありました。

2回目:前回後の1週間、それまでと変化なく、痛み止めを服用しておられましたが、やはり早朝の痛みは変わりませんでした。
施術後は軽くなりました。

3回目:前回後の1週間、1日だけ朝まで痛みが出ず眠れました。痛み止めは服用していました。
施術後は楽になりました。

4回目:前回後の1週間、痛み止めは服用しながらですが、毎日痛みが出ずに朝までぐっすり眠れました。
最後の1日は痛み止めも服用せずに済みました。
自宅でお腹のコリを取るストレッチを提案し、始めてもらいました。

5回目:前回後の1週間、痛み止めは服用せず、毎日痛みは出ず朝まで眠れました。
仰向けで横になった時の腰の違和感もなくなりました。
表情も明るく、お互いに「やったね!」という感じで、今のところの改善を喜び合いました。

次は2週間空けての治療の予定です。
これまでは順調ですので様子を見て治療間隔を少しずつ開けながら治療を続けていくことになると思います。

突然襲う痛みは辛いものですし、不安になりますね。 それが仕事にも影響するとなると深刻です。

少しでも楽に過ごせる助けになれれば嬉しいですね。

妊婦さんの整体

ある日、たまたま妊婦さんが二人お見えになりました。

お一人はその月の月末が予定日の方。
もうお一人は7か月目に入ったところ。

臨月のお一人目は、腰や肩がかなり辛そうでした。
特にお尻のあたりが痛いようです。
妊婦さんでおしりや脚の後ろ側が辛くなられる方はけっこう多いです。
腰への負担から坐骨神経が緊張するためかもしれません。

よく、「妊娠しているのですが、整体できますか?」
というお問い合わせをいただきます。

当店では、安全に注意をはらい、体に負担がかからない方法で、妊娠中のお母様方に施術させていただいています。

妊婦さんの整体

まず仰向けで股関節から脚の緊張を取り、横向きになっていただきます
背骨の周囲の緊張を取った後、腰、お尻を緩めていきます。
おしりは「柔らかい」というイメージですが、これがなかなか、悪い人はとても「固い」です。
骨盤の矯正ができれば状態はずいぶん変わるのですが、今回はそれはなし。
対症療法的ですが、ずいぶん楽になられたとこのことで、良かった、良かった。

あとは元気な赤ちゃんを産んだ後で、本格的な治療ですね。
出産後も子育てで、体には負担が増えますし。

少子化問題がよく取りざたされますが、こうして新しい命を育んでおられる方のお手伝いができるのは嬉しいことです。

坐骨神経痛は突然消える!?

神経痛は辛いものです。ある20代の女性保育士さんもそうでした。年齢には関係ないようです。
毎年ぎっくり腰を繰り返しているので、普段からメンテナンスしてしっかり治したいとのことでした。

最初は一進一退

しばらく週一回の整体を続けていましたが、一進一退です。
あるときは腰が痛くて動けないほどにもなられました。
それでも来てくださるので、毎回一生懸命の施術です。

次第に痛みは腰から、お尻と太ももの後ろ側に移りました。
坐骨神経痛と思われる症状です。
これがまたしつこい奴です。
施術後4~5日は快調なようでしたが、また痛みが戻ります。
施術後は痛みが消える、この繰り返しでした。

神経痛は突然消える?

それでも辛抱強く整体を受けてくださり、治療の間が1ヵ月近く空いたつい先日、 「お尻の痛みが嘘のように消えたんです。」とのこと。
それが3週間くらい続いているではありませんか!!

嬉しいですね。

神経痛の痛みはある日突然、スッと消えることが少なくないようです。
それまでは三歩進んで二歩下がったり、三歩下がったりします。

施術をする側も受ける側も辛抱が求められますね。

中には、力及ばずあきらめられる方もおられますが、そんな時は申し訳ない気持ちでいっぱいです。

あきらめないで来てくださったお客さんに感謝です。

若くても腰痛は辛いー妊婦さんの腰痛

4年前のことです。
当時、3か月前に第一子を無事出産されたお母さんが来られました。

この方、20代の独身の頃から来てくださっています。

それまでの施術は、腰痛のケア、結婚式前のオイルトリートメント(ブライダルエステ)、妊娠中の整体とオイルトリートメント、そして、今回整体による出産後の身体のケアでした。

若くても腰痛が出ます

最初は約5年前の腰痛でした。
お仕事は保育士さん。

毎朝、目が覚めて起き上がるときに腰の痛みが強く、5分くらいかけて少しずつ起き上がり、這うようにして階段を下りて1階に降りる毎日だったとお話しくださったのを覚えています。

若くても腰痛は辛いもの。

年齢は関係ありませんね。

週1回の施術を1ヵ月くらい行ったところから変化が表れ、2週に1回のペースで続けました。
半年経たないうちに毎朝の痛みはなくなり、月に1回の施術で良好な状態を維持できるようになられました。

その後、ご主人と出会われ、ご結婚、ご出産。

東広島での5年のうちに、こうした喜びを経験された方と、サービスを通じてお会いできたのは嬉しいことです。

これからは育児に取り組まれることになりますが、フレッシュな意欲を伺い励まされました。

これからもどうぞお幸せに。

繰り返す腰痛

「ヘルニア持ちです」

よく、「ヘルニア持ちです」と言われる腰痛のお客さんが来られます。
手術をするまではないものの、医者からはヘルニアと言われ、神経ブロック注射を繰り返している方もおられます。
一時は楽になっても、身体への負荷や生活習慣のために痛みが繰り返し出てきます。
でも、筋肉・神経・骨格・血行・栄養を整えることで痛みが出にくくなります。
長い目でしっかり取り組むと快調に過ごせますよ。

お尻のえくぼが痛い

繰り返す腰痛をお持ちの方の訴えで多いのが、「お尻の、へこんだ、えくぼの所が痛いんです。」というものです。

これは腰の骨が神経を圧迫しているために出ることが多い症状で、だんだん股の後ろ側からふくらはぎ辺りまで痛みが広がることもあります。

痺れが出始めるとそれもまた辛いですね。

セルフケアとメンテナンスが大切!

施術では、お腹、腰、骨盤、股関節を中心に調整します。

腰の圧迫が取れれば痛みは和らぎます。

日頃のセルフケアも大切ですね。腰椎への圧迫を軽減するストレッチやお腹を緩めるセルフケアも有効です。

地道で粘り強い取り組みがきっと実を結びますよ。

腰痛持ちはココがこっている

(2018年6月28日作成)

50代の主婦のお客さんが来られました。以前は首や肩の整体に来てくださっていた方です。
呉市から東広島まで来てくださるんですから、ありがたいことです。

今回は腰痛のお悩みです。

こんな腰痛です

体形は細身。とてもスマートでいらっしゃいます。
夕方になると体の左側の腰から脚にかけてズ~ンと痛くなります。

「もう、骨盤外してやりたいくらい!」

そして、寝ている時には腰の左側を捻じるように寝返りをうつと腰から股関節、脚にかけて「痛っ!…たたた」。
股関節から鼠蹊部にかけても痛みます。

とても辛いようです。

1回目の整体

最初の施術では、痛みの箇所を探りながら、痛い個所を中心に施術します。

今回は痛みの箇所が広範囲なので、関係ありそうなところを一通りやりました。

特に股関節から左の腰の横(手を腰に当てた時自然に手がくるところ当たり)を丹念に。

施術後はちょっと楽になっていましたが、体をねじった時の痛みはあまり変わりませんでした。

2回目の整体

2回目の整体は1週間後です。

「この1週間、いかがでしたか?」

「夕方の腰から脚の痛みは少し楽になりました。でも、体を捻じった時の痛みは変わりません。」

変化があるのは明るい兆しです。

2回目の整体では、痛む側の骨盤のフチ(図のピンクのところ)のコリをしっかり落とすようにしました。

この方、細身ですが、この部分のコリはとても固く、しっかりついています。

腰痛もちの方のほとんどがここが固いです。

そしてコリが分厚いです。

指先の感覚ですが、厚みが1センチくらいあるように感じる方もおられます。

ここを、薄皮をはぐようにちょっとずつ、ちょっとずつ緩めていくんですが、これが結構時間がかかります。

お客さんもちょっと痛いかも。

このお客さんも頑張って受けてくださいました。

終わってから確認。

痛みは和らいでいます。

これで、大まかなターゲットは定まったので次回以降さらに絞り込んで精度を上げたいと思います。

2回目で方向性が定まるとは上出来、上出来。

でも、身体は変わるので油断はできませんが。

骨盤の上が固い人は腰痛に注意

今回のように、骨盤の上のフチが固い人は腰痛に要注意です。

骨盤の上を軽く押すと内側に指が沈みますか? ガチガチですか? パンッとした感じで張っていますか?

ここは柔らかい方がいいですね。